日本人が英語学習を破壊した?行き過ぎた商業化の影響
はじめに
日本では英語学習が長年にわたり重要視され、学校教育から民間の語学スクール、オンライン学習まで、多くのリソースが投入されてきました。しかし、その一方で、英語学習の商業化が行き過ぎた結果、本来の目的である「実際に使える英語を学ぶこと」が損なわれ、社会には偽の情報が溢れる状態となってしまいました。芸能人を使っての誇大広告や「1か月でペラペラ」「よく使われているのはたった30語だけ」など極端なマーケティングにより日本の英語社会の大きな障害となってしまった印象があります。本記事では、英語教育の商業化がもたらした影響と、英語学習の本質を取り戻すために必要なことを考察します。
英語学習の商業化とは?
英語学習の商業化とは、英語教育が本来の目的から逸れ、ビジネスとしての利益追求が優先される状況を指します。これには以下のような特徴があります。
- 高額な英会話スクールや教材の乱立
- 「1ヶ月で英語ペラペラ」「聞くだけで英語が話せる」といった誇大広告。
- 高額な教材やレッスン料に対して、実際の成果が伴わないケース。
- 資格試験重視の風潮
- TOEICや英検のスコアが重視され、コミュニケーション能力向上が後回しに。
- 企業がTOEICスコアを評価基準とすることで、英語学習の目的が「試験対策」に偏る。
- 絶対正確文法主義
- 学校教育で文法(スペリング&翻訳)を重視した評価方法により絶対正確文法主義が蔓延。
- その結果英語が楽しくない→自主的学習がなくなる現象が発生
私が個人的に一番ひどいと思うのは1番。〇〇〇ラーニングは「聞き流すだけで英語が話せるようになる」といったキャッチフレーズで人気を博した英語教材の一つです。ひどすぎます。
私が以前レビューを書いて訴えられた○○留学も5年くらい前にサービスが終了しています。
行き過ぎた商業化の影響
1. 「英語が話せる=ビジネス」の風潮の定着
英語を学ぶことが自己成長や異文化理解ではなく、単なる資格取得やビジネススキルとして捉えられるようになった結果、純粋な学習意欲が失われている。
2. 英語を「勉強するもの」として捉えすぎる
英語を学ぶ目的が「点数を取ること」にすり替わり、実際に英語を使う機会がないまま学習を終えてしまう。
3. 「ネイティブ信仰」による学習効率の低下
「ネイティブのように話せるようになるべき」という誤った思い込みが広まり、日本人が持つ独自の英語習得の強み(論理的思考力、読解力など)が軽視される。
どうすれば英語学習を取り戻せるか?
- 英語を目的ではなく手段として捉える
- 英語を「学ぶこと」ではなく、「使うこと」に重点を置く。
- 趣味や仕事で英語を活用する場面を増やす。
- 資格試験から脱却し、実用的な学習へシフト
- TOEICや英検のスコアよりも、実際の会話力や文章作成力を鍛える。
- リスニング・スピーキングだけでなく、ライティング・リーディングもバランスよく学ぶ。
- 多様な英語に触れる環境を作る
- ネイティブだけでなく、さまざまな国の英語話者とコミュニケーションを取る。
- 英語を学ぶのではなく、「英語で何かを学ぶ」ことを意識する(例:海外のニュースを読む、オンライン講座を受ける)。
まとめ
英語学習の商業化が進むことで、英語を学ぶ本来の意義が見失われがちです。しかし、英語は単なるスキルではなく、世界とつながるためのツールです。試験対策やビジネス戦略に踊らされるのではなく、実際に英語を使う環境を作り、目的に沿った学習を行うことが、真に「英語ができる」状態を作る鍵となります。
行き過ぎた商業化の波に流されず、自分にとって最適な英語学習の形を見つけていきましょう。
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